淀川鐵工株式会社 代表取締役 北隆太郎氏

淀川鐵工株式会社
代表取締役

北隆太郎氏

「近隣の企業さまとの会合で、互いのIT化の取り組みについて定期的に情報交換を行っています。今回のWi-Fi導入の件もみなさんと共有して、地域のものづくりを盛り上げていきたいと思っています」

淀川鐵工株式会社 第一事業部 部長 千田恭平氏

淀川鐵工株式会社
第一事業部 部長

千田恭平氏

「新たな仕組みを導入する際には、環境変化による混乱を避けるためにスモールスタートを徹底しています。小さく回し始めてから、徐々に水平展開を図っていくことが現場に根付かせるポイントだと思います」

淀川鐵工株式会社 総務部 経理課 係長 曽和麻衣子氏

淀川鐵工株式会社
総務部 経理課 係長

曽和麻衣子氏

「ドコモビジネスのサービスが優れていることに加え、スマホもWi-Fiも、いつも的確なタイミングで提案し、アフターサポートもしっかりやっていただける対応力を高く評価しています」

淀川鐵工株式会社 第一事業部 部長 千田恭平氏

アイ・ティー・テレシス株式会社
法人営業課

篠原克典氏
(販売代理店営業)

「私のモットーは、お客さまから故障などの相談があった際はすぐにお客さまのもとにかけつけることです。効率が悪いと言われることもありますが、そこで信頼関係を築くことが重要だと思っています」

 

課題

Wi-Fi整備を起点にスマートファクトリーの取り組みを推進
現場ではポケットWi-Fiに代わる快適な通信手段が必要に

1951年に創業した淀川鐵工は、古くから大手メーカーが世に送り出す空調機器の部品製造に携わってきた。現在は薄板板金加工から塗装までの一貫生産を強みとして、空調機器関連の圧力容器製作、圧縮機ケース及び精密ケース加工などを手がけている。70年以上にわたるものづくりの伝統、多様化する顧客ニーズに対応する変化を融合した「不易流行」は、同社のものづくりを支えてきた不変の精神だ。同社では2023年より「スマートファクトリー2030」と銘打った製造現場の変革に取り組んでいる。

「少子高齢化が進む日本では慢性的な人材不足に陥っており、とりわけ製造業の抱える人材難は今後ますます深刻化していくでしょう。そのような未来に備えて推進しているのが『スマートファクトリー2030』です。これは2030年までに、AI、IoTなどのデジタル技術を駆使して工場を刷新し、たとえ少ない人数でも業務を回せる効率化、自動化を推し進めていく計画です。このスマートファクトリー化の第一歩として考えていたのが、工場エリアへのWi-Fi導入です。まずは、いろいろな機器や設備をつなぐ通信環境が必要だと考えていました」と語るのは、第一事業部 部長の千田恭平氏(以下、千田氏)である。

すでにオフィスエリアにはWi-Fi環境が整備されていたものの、工場エリアではポケットWi-Fiを使用している状態だった。「工場内の事務所にはパソコンが置いてあり、メールなどの確認をする際にはポケットWi-Fiを利用していました。しかし、設備や遮蔽物の多い工場では接続が不安定、しかも容量超過による速度制限がかかるため、かなり使いづらかったのです。千田の申し上げた未来のことだけではなく、いまの業務の支障を打開するためにも、少しでも早く工場エリアのWi-Fi対応を進めるべきだと考えていました」と、総務部 経理課 係長の曽和麻衣子氏(以下、曽和氏)は語る。

両者の思いは工場エリアのWi-Fi化で一致。パートナー、サービスの選定をスタートする。

 

対策

現地調査をもとに複数サービスを組み合わせた的確な提案で
スマートファクトリー化を見据えた高速・広帯域のWi-Fi環境を構築

同社がパートナー候補として相談を開始したのはドコモビジネスの代理店、アイ・ティー・テレシスだった。もともと事務所で構築しているインターネット、Wi-Fi環境がNTTのサービスだったことに加え、現在、利用しているドコモのスマホとMDMをセット提案したのがアイ・ティー・テレシスだったためだ。「5、6年ほどのお付き合いですが、スマホ以外にも複合機、防犯カメラなどの情報も提供してもらっています。あまりデジタル、DXには詳しくないため、今回も最初に相談させていただきました」(曽和氏)

工場エリアのWi-Fi環境を整備したいという相談を受け、アイ・ティー・テレシスの窓口担当である篠原克典氏(以下、篠原氏)は、ドコモビジネスをはじめとする関係各所との連携により、サービス提案の前に現地調査を行った。「最適なサービスを見極めるために、すぐに工場にお伺いして電波状況を調査しました。思いのほか工場に奥行きがあり、設備が多かったため、屋外設置用のアクセスポイントに対応できる強力な通信性能を持つ“ドコモ光ビジネスWi-Fi”をピックアップ。さらに、事務所からインターネット回線を延長すると工事費用がかかり、速度も出にくいという判断から、工場用として別に“ドコモ光”を開通させ、将来的なスマートファクトリー化を見据え、高速でゆとりある通信環境を整備しました。さらに、回線と同じ理由でプロバイダーもファミリー向けではなく、信頼性の高い法人向けでの“OCN光 IPoEサービス”をチョイスして、トータルなWi-Fi環境の仕組みをご提案しました」(篠原氏)

篠原氏の提案は、淀川鉄工の求める条件を高いレベルで満たすものだった。まず「ドコモ光ビジネスWi-Fi」は、Wi-Fi導入から運用・管理までをプロにアウトソースできるサポート付クラウド型Wi-Fiサービス。モバイル端末最大100台程度まで快適に利用できる高速Wi-Fi環境を実現できる。加えて「ドコモ光」は、最大1Gbpsのゆとりある通信速度で利用できるプロバイダー一体型の光インターネットサービス。プロバイダーに法人向けでサービスの「OCN光 IPoEサービス」を選ぶことで、IPoEによるネットワーク混雑の原因を分離した広帯域な通信が利用できることも大きなポイントになっている。

「工場内の防塵・防水、セキュリティにも配慮しながら、私たちの課題をクリアにしてくれる提案内容を高く評価しました。さらに、現在利用しているNTTのネットワーク、ドコモのスマホとサポートや支払いの窓口が一本化できることもポイントです。しかも、お得なセット割引が適用されることでランニングコストを抑えられることも選定の決め手になりました」(曽和氏)

 

効果

Wi-Fi活用で設備管理システム、膜厚計測の作業を効率化
工場内の大容量ファイルのメール送受信スピードも格段に向上

工場内のWi-Fi環境が整備されたことで、すでにさまざまな効果が生まれている。「工場内で設備管理システムの導入を進めていまして、オンラインでもオフラインでも利用できるものでしたが、オンラインの方がデータ送信などの便利な機能が使えます。Wi-Fi環境が整備されたことでオンラインでの運用が可能になり、1日の集約したデータをパソコンに飛ばしてお客さまに報告できる環境が整ったので、すごく楽になりました。さらに塗装した製品の膜厚を測る計測器があるのですが、これまでは膜厚測定して出た数値を手で紙に書いてパソコンに手入力していました。しかし、いまは数値がそのままWi-Fiでパソコンに飛ばせるようになったことで、記入ミスがなくなり、作業負担もかなり軽減されています」(千田氏)

ポケットWi-Fiから乗り換えたことで、工場内での事務作業もスムーズに回せるようになっている。「やはり速度制限のストレスがなくなったことが大きいですね。メール送受信のスピードも確実に速くなり、大容量の設備データを送る際も安定して途切れることはなくなりました。また、これまでは図面をすべて紙で管理していたのですが、今回、タブレットを導入してデジタルデータで確認できる仕組みを試験運用中です。図面番号で手軽に検索できるため、事務所のファイルから必要な図面を探す手間がなくなり、大幅な業務の効率化につながると見込んでいます。今後、得意先から配布される図面も3D仕様になるため、よりタブレット導入の効果は上がると思います」(曽和氏)

篠原氏は仕事をする上で「わかりやすい提案」を大切にしているという。「今回の淀川鐵工さまに限らず、ふだんから技術的な説明をするより先に、わかりやすい事例を紹介するようにしています。同じ業種の他社さんの導入事例をお見せする、あるいは、それを読み込んで自分なりのアレンジを加えてご説明することで、まず課題を解決できるイメージを持ってもらうことが大切だと思っています」(篠原氏)

今回のWi-Fi導入を皮切りに、同社では2030年のスマートファクトリー化に向けたさまざまな取り組みを推し進めている。「次の展望はWi-Fiを駆使して設備管理システムに続き、生産管理システムを稼働させることです。最終的には生産稼働率のリアルタイム表示まで持っていきたいと考えています。並行して在庫管理システムのクラウド化も進めていく計画です。今後も引き続き、豊富なITの知見を持つアイ・ティー・テレシス、ドコモビジネスのサポートに期待しています」(千田氏)

淀川鐵工株式会社

淀川鐵工株式会社

淀川鐵工株式会社

事業概要
1951年(昭和26年)の創業以来、さまざまな市場変化や環境変化に順応しながら大手空調メーカーへの部品供給で社会に貢献。「不易流行」の精神で高度化・多様化する市場ニーズに対応している

URL
https://www.yodogawa21.com


(掲載内容は2025年3月現在のものです)


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